「オトナの歌謡曲」第二十回 黒い花びら

「黒い花びら」
作詞 永六輔 作曲 中村八大
歌 水原弘(1959年7月東芝音楽工業)



”水原弘の”というより、”日本の歌謡曲の”代表曲といえるのが、この「黒い花びら」です。水原弘さんの抜群の歌唱力、”流行歌ばなれした”アレンジ、キャッチーなメロディ、どれをとっても”カッコイイ”曲だと思います。この歌がヒットした昭和34(1959)年は、前回、ご紹介した「黄色いサクランボ」も大ヒットした年でもあり、レコード業界、歌手の世界も大きく変わる転換期でもありました。

映画の世界では、日活アクションが本格的に撩乱し、小林旭さん、石原裕次郎さんを両輪に、”邦画ばなれした”アクションは、それまでの活劇とは一線を画す、新しくてカッコいいものとなり、日本のアクション映画、後のアクションドラマへの道がこの年から始まる、と僕はみております。

さて「黒い花びら」の水原弘さんは、高校時代に文化放送の「素人ジャズ喉自慢」で優勝、ジャズ喫茶で歌っているところを、渡辺プロダクション(1955年設立)の渡辺美佐さんがスカウト。ダニー飯田とパラダイスキングの初代ヴォーカルでもありました。そして空前のロカビリーブームが続くなか、日劇ウエスタンカーニバルの舞台やジャズ喫茶のステージに立ち、この「黒い花びら」でレコードデビューを果たします。発足間もない、東芝の専属歌手として、なんと7月発売にも関わらず、年末までに30万枚を超すヒットとなります。

まさしく、新生レコード会社の新星だったわけです。そして、この曲は、この年スタートしたばかりの、第一回レコード大賞を獲得、この年を代表する大ヒット曲となりました。デビュー間もない、水原弘さんの姿を観ることができるのが、東宝映画『青春を賭けろ』(7月28日 日高繁明)です。「黒い花びら」のカップリング曲をフィーチャーした、夏木陽介さんの主演作です。水原さんは歌手役で、渋いノドを披露してくれます。

続く東宝映画『檻の中の野郎たち』(8月4日 川崎徹広)にも出演、「黒い花びら」がヒットするなか、年末には日活映画『青春を吹き鳴らせ』(12月27日 舛田利雄)、そして、年が明けて東宝映画『黒い花びら』(1月27日 瑞穂春海)が作られます。テレビの映像がほとんど残っていない、この時代の水原弘さんを、一部とはいえ、歌っている姿を観ることができる映画は貴重です。

そして、これらの映画、すべての音楽を担当しているのが、中村八大さん! BGMもイカします。CSなどでたまに放送しているので、一見の価値アリです。

僕らの世代で、水原弘さんというと「忍風カムイ外伝」の主題歌「しのびのテーマ」です。これがカッコ良かったんです。抜け忍の孤独と、水原さんのイメージがダブルわけです。



それから、子供のハートをガッチリつかんだのがこの「ヘンな女」です。




さて、「黒い花びら」を、宇多田ヒカルさんのお母さんでもある、藤圭子さんが熱唱したヴァージョンを聴いていると、この曲の持つ「歌の力」のすごさを、改めて感じます。



これもまた「スタンダードナンバー~オトナの歌謡曲~」で歌われる予定です。

https://ticket.kyodotokyo.com/jigyo.do?jigyoBango=9Y27&unitCode=671

日本のポップスを確立した3人の作曲家、
中村八大・いずみたく・浜口庫之助の
名曲を歌い継ぐコンサート。

2009年11月24日(火)新宿文化センター大ホール
開場18:00 開演:18:30

出演:由紀さおり/遊佐未森/今野英明/バンバンバザール/土岐麻子/羊毛とおはな/中山うり/藤澤ノリマサ/中村中/阿部芙蓉美
演奏:鈴木総一朗
総合司会:柿木央久


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