CD「森繁久彌 歌の旅 映画の人生」ただいま制作中!

森繁さんのCDの話題です。

10月20日、ビクターエンタテインメントからリリースされるCD「森繁久彌 歌の旅 映画の人生」の企画監修をさせていただいております。これは2枚組でDISC1「歌の旅」は、1959年にビクターから発売された10吋盤「夜の詩集」をベースに、EP音源を加えたものです。そして今回、僕が制作にあたったのがDISC2「映画の人生」と題するサントラ集です。

森繁さんの主演デビュー作『腰抜け二刀流』(50年)から『チャッカリ夫人とウッカリ夫人』(52年)、『重盛君上京す』(54年)、『森繁の新入社員』(55年)といった新東宝時代の喜劇映画の挿入歌から、東京映画の『おしゃべり社長』(57年)、宝塚映画の『極楽島物語』(同)、川島雄三監督の『縞の背広の親分衆』(61年)『喜劇 とんかつ一代』(63年)までの喜劇映画のコミカルなソングを集めたものです。ほとんどが初音源化ばかりです。

僕は昨年にもユニバーサルの『森繁久彌 わがセンチメンタルの碑』http://toshiakis.at.webry.info/200911/article_11.htmlのライナーを書かせていただいておりますが、今回は、選曲、マスター作り、監修、ブックレットと八面六臂です。 このお話をくださったのが、以前よりCDを一緒に作っているビクターの松井和男さん。この方、初めて会ったのが2003年。渡辺音楽出版でCDボックス「That's WATANBE 20世紀ポピュラー音楽大全集」の仕事をした時でした。
http://item.rakuten.co.jp/aiaiai/gmvcs-1051/

初対面で「お父様は、もしかして松井八郎さんですか?」と伺ったのを覚えています。松井八郎さんといえば、「社長」「駅前」シリーズや『縞の背広の親分衆』や『喜劇 とんかつ一代』の音楽を手がけた、ビクターオーケストラ出身の作曲家の方です。以来、おつきあいを続けてきましたが、今年の5月末、”ぱしふぃっくびいなす号”での世界クルーズの仕事から帰国したばかりのときにお電話を頂いて「森繁さんのCD、作りませんか?」から、すべてが始まりました。

森繁さんといえば、コロムビアの歌手でもあり、沢山の音源がCD化されています。そのなかで、未音源化といえば、映画のサントラしかありません! 歌う映画スターCDといえば、佐藤利明、ということでの目論見もあったと思います。ビクターさんでは一昨年『吉永小百合映画歌謡曲集』http://toshiakis.at.webry.info/200810/article_2.htmlを作らせていただいたという経緯もあります。

さて、それからが大変でした。『腰抜け二刀流』から『喜劇 仰げば尊し』あたりまでのモリシゲ映画、ほとんど全作を、パソコンに処置して、観て、主題歌、挿入歌、鼻歌を整理、気の遠くなるような作業を続けてきました。で、面白い映画ばかりピックアップしていくと、どうしても昭和25年から31年にかけての、コメディアンとして売り出し、スターになっていた時代の音源が、実に魅力的だったのです。そのほとんどが、松井和男さんのお父様の松井八郎さんの曲というのも、不思議なことです。

久世光彦さんが「今さらながら 大遺言書」(新潮社)の「有名、無名」というエッセイで、森繁さんが晩年愛唱していた「ああ、うつせみに」という歌について書かれています。
http://www.shinchosha.co.jp/books/html/354504.html

松井和男さんも「この曲がどこかにないか?」 ということを初めての打合せでおっしゃられたのです。

その答えは映画のなかにありました。作詞は川内康範さん、作曲・松井八郎さん、映画は新東宝の『森繁のやりくり社員』(55年)のなかで、杉葉子さんとデュエットしていた曲です。これをビクターに持っていった時、松井さんは感無量といった感じでした。お父上が作ったこの「ああ、うつせみに」は、久世さんだけでなく、ご子息にとっても、特別な歌だったのです。

そこで、一気にCDのコンセプトが決まりました。DISC1は、松井八郎さんと森繁さんがビクターに残したレコード音源を集めたもの、DISC2は、映画のサントラ、しかも1950年のデビューから「社長シリーズ」直前までの新東宝時代のもの、森繁節が確立していくプロセスを、CDをお聞きの方に体感していただこうというものです。

それからが大変でした。いろいろと資料にあたり、映画を観て、曲の存在を確認していくわけです。そうして新東宝時代のもの、東宝時代でも川島雄三映画などで歌っているコミカルなもの、ということで39曲を厳選させていただきました。

映画のサントラなので、国際放映、東宝ミュージックなど、権利元の調整をしつつ、やはり、森繁久彌さんのご家族に、この企画をご理解いただかかないと、プロジェクトは進みません。そうしたなか、この8月15日、松林宗恵監督一回忌『人間魚雷回天』上映の「思い出を語る会」の司会をしたことがご縁で、森繁さんの御次男・森繁健さんにご挨拶をさせていただくことができました。

その時の健さんの第一声が『「ああ、うつせみに」入るんですか!』でした。その笑顔を拝見して、ああ、良かったなぁ、としみじみ思いました。早速、森繁さんのお宅にご挨拶に伺いました。

考えてみれば、松林監督のご長男、松井八郎さんのご子息(三男)、森繁さんの御次男、と、いずれも「社長シリーズ」ジュニアなのですね! さらに、僕が親しくさせていただいている三木のり平さんのご長男・のり一さんが加われば、まさしく「社長シリーズ」ジュニア会! です。

そうしたご縁のなかで、この「森繁久彌 歌の人生 映画の旅」を準備させていただいています。今週、マスタリングを行い、原稿を執筆して、いよいよ発売となるわけです。このリリースについても、ささやかながら仕掛けを考えておりますので、改めて、この日記で(まずは)報告させていただきます。

画像

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