神保町シアター『乱気流野郎』(62年番匠義彰)

1962.04.15 『クレージーの花嫁と七人の仲間』改題再上映版『乱気流野郎』

東宝クレージー映画に先駆けて、松竹で作られた「クレージーの花嫁と七人の仲間」を、神保町シアターの喜劇映画パラダイスで観てきました。監督は、松竹でハイテンポ、ハイセンス、ハイテンションのコメディを手掛けてきた才人、番匠義彰さんです。松竹のドル箱「花嫁」シリーズと、テレビでブレイクして、レコードも大ヒットのクレイジーの融合こそ、渡辺晋さんのプロデューサーとしての狙いでしょう。

だから、高千穂ひづるさん、倍賞千恵子さんの「花嫁」チームに、クレージー、シックスジョーズ、平岡精ニクインテット、中島潤さん、藤木孝さん、ピーナッツ、スマイリー小原とスカイライナーズ、中尾ミエさん、スリーファンキーズ、そして伊東ゆかりさん、などなどのスターを配しての豪華版になっているわけです。

これまでの、「花嫁」シリーズには小坂一也とワゴンマスターなどが、ゲスト出演してましたが、今回のゴージャスさは、渡辺プロの力を感じます。国際劇場のSKDのレビューが、かすむほどです。

いつもの「花嫁」シリーズ同様、東京下町の老舗のお寿司屋さんが舞台です。父親亡き後、姉・高千穂ひづるさんが女将として店を切り盛りして、妹・倍賞千恵子さんはSKDのレビューガールとなっています。のれんを守る人と、新しい世界に生きる人。この番匠映画の図式は守られています。ハナ肇さんは寿司屋の花板で「人情」担当、谷啓さんは職人で倍賞さんにゾッコンで「ホンワカ」したキャラ、植木さんはハナさんの妹・葵京子さんのご主人でC調な車のセールスマン。いずれも、テレビや歌で培われたキャライメージのままです。

で、植木さんはそのイメージ通り「髪結いの亭主」で、テレビタレントの葵京子さんをテレビ局に車で送迎したり、時には葵京子さんに鼻の下を伸ばしているテレビプロデューサー石橋エータローさんの前では、白タク運転手に化けたり(笑)

葵京子さんの仕事場は、フジテレビの「森永スパークショー」のスタジオ! ディレクターには青島幸男さん! 彼女はコマーシャルガールなので、ミッキー・カーチスさんと「スパークコーラ」や「珈琲ガム」などのCMに出演。スパークショーのスタジオには、シックスジョーズが演奏し、ピーナッツが「ふりむかないで」を唄います。ベースは渡辺晋さん、ピアノはもちろん宮川泰先生! なんて豪華なんでしょう!

松竹映画らしくないモダンさは渡辺プロのテイストで、同時に番匠映画らしさもふんだん。ここがミソです。

さらに、ハナさんの相手役には淡路恵子さん! 『香港クレージー作戦』や『無責任遊侠伝』に先駆けてます。さらに、クライマックス、修善寺が舞台となりますが、大仁川の芝居場に登場するのは、なーんと『クレージー大作戦』で、脱獄した植木さんたちが逃亡するときに渡った鉄橋ではありませんか!
ここもミソです(笑)

というわけで、東宝クレージー映画(特に古澤作品)を基準点にするか、渡辺プロ映画の歴史としてみるか、はたまた「花嫁」シリーズの1本として観るか、で、この映画の印象は大きく変わると思いますが、僕にとっては好きな映画です。伴淳という観点で観ると、駅前チックでもありますし(笑)

なんたって植木さんの、ダメ男=無責任男ぶりがイイです。これを機に、ぜひ「花嫁」シリーズもチェックしてみてください(ってソフト化されてないか・笑)

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