「オトナの歌謡曲」第十回 夜霧よ今夜も有難う

「夜霧よ今夜も有難う」
作詞 作曲 浜口庫之助
歌 石原裕次郎(1962年2月テイチク)



石原裕次郎さんの代表曲にして、日活ムードアクションの象徴ともいうべき映画『夜霧よ今夜も有難う』の主題歌でもあります。今年は、石原裕次郎さんの23回忌ということで、ご存知のように、ワタクシも日活さんのDVD-BOX「石原裕次郎 ゴールデントレジャー」のプロデュースをさせていただきました。

石原裕次郎 ゴールデン・トレジャー
http://www.nikkatsu.com/package/golden/

裕次郎さんのムーディな歌声のイメージとともに、この曲もまた「オトナの歌謡曲」として、多くの人々に愛され続けています。このレコードがリリースされたのは昭和42(1967)年2月、カップリングは傑作『波止場の鷹』(67年8月西村昭五郎監督)の主題歌となる「粋な別れ」。さて映画『夜霧よ今夜も有難う』の公開は3月11日。同時上映は吉永小百合さんの『恋のハイウェイ』でした。

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND559/index.html

この曲と、映画については、そのDVD-BOXのブックレットのための解説から、一部、引用させていただきます。

夜霧よ今夜も有難う
A WARM MISTY NIGHT 監督・江崎実生

 石原裕次郎と浅丘ルリ子のコンビによる“ムード・アクション”は、昭和30年代末から40年代にかけての日活アクション成熟期に、多くの佳作を残している。裕次郎映画のメイン監督である舛田利雄監督の『赤いハンカチ』(1964年)、松尾昭典監督の『夕陽の丘』(1964年)や『二人の世界』(1966年)など、裕次郎の甘い歌声をフィーチャーした大人のラブ・ストーリーに、アクションを巧みに配したムード・アクションは、裕次郎映画の新たな境地となった。

 ムード・アクションという言葉は、日活宣伝部が『夕陽の丘』の宣伝コピーとして作ったものだが、映画評論家の渡辺武信氏は『憎いあンちくしょう』(1962年)から『波止場の鷹』(1967年)までの間に作られたものが、ムード・アクションと定義している。いずれも、自己のアイデンティティとロマンに生きる「男」と、現実的な幸福を求める「女」の葛藤をさまざまなドラマの中で描いた作品である。

 そういう意味では『夜霧よ今夜も有難う』は”ムード・アクション”の条件を満たした佳作となった。浜口庫之助作詞・作曲による主題歌は、歌謡史に燦然と輝く名曲で、裕次郎の甘い歌声とともにファンに今なお愛され続けている。

(中略)

外国航路の貨物船の船長・相良徹(石原裕次郎)が、バレエダンサーの北沢秋子(浅丘ルリ子)と婚約するが、秋子が結婚式の当日に失踪。失意のうち船を降りた相良は、それから数年後、横浜で外国人相手のクラブ“スカーレット”を経営しながら、密出国を斡旋していた。ある日、秋子が夫である東南アジア某国の革命派幹部グエン・ホアダイ(二谷英明)と共に密出国させて欲しいと現れる。

 再会した二人の間には「千五百回の昼と千五百回の夜」が過ぎていた。失われた過去の為に、目の前に現れた秋子の現実を、受け入れる事の出来ない相良。過去と決別するための克服のドラマは切なく、まさにムードアクションの面目躍如。

(中略)
 
 本作のムード作りに貢献しているのが、魅力的なダイヤローグの数々。野上竜雄、石森史郎、そして江崎監督によるシナリオには名台詞がちりばめられている。相良と秋子が交す、失われた四年間についての「千五百回の朝と昼、そして夜」の会話。ピアノを弾く裕次郎の前に現われた秋子が、「貴方の好きなもの。雨上がりの舗道・・・ひとりぼっちのゴリラ・・・」と相良が好きだったものを挙げ、続いて「私の好きなもの」を挙げてゆく。渡辺武信氏も指摘しているように、これはリチャード・ロジャース作曲、オスカー・ハマースタイン二世作詞の「マイ・フェバリット・シングス」(「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」)にインスパイアされたものだろう。この会話はリリカルななかに、失われた二人の時間が凝縮された名シーンといえるだろう。

 余談だが、「♪こぼれ花」のシーンでの国籍不明のコンガ奏者として登場するのが作曲者の浜口庫之助。浜口といえば、日活ダイヤモンドライン第四の男・和田浩治主演のコミック・アクション『有難や節 あゝ有難や有難や』(1961年・西河克己)にも、行幸のパロディ場面で、なんと天皇陛下風のスタイルで出演している。自らが作曲した裕次郎ソングを歌ったCDもリリースされている。

(後略)

これもまた「スタンダードナンバー~オトナの歌謡曲~」で歌われる予定です。

https://ticket.kyodotokyo.com/jigyo.do?jigyoBango=9Y27&unitCode=671

日本のポップスを確立した3人の作曲家、
中村八大・いずみたく・浜口庫之助の
名曲を歌い継ぐコンサート。

2009年11月24日(火)新宿文化センター大ホール
開場18:00 開演:18:30
出演:由紀さおり/遊佐未森/今野英明/バンバンバザール/土岐麻子/羊毛とおはな/中山うり/藤澤ノリマサ/中村中/阿部芙蓉美
演奏:鈴木総一朗
総合司会:柿木央久




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