スタンダードナンバー~オトナの歌謡曲~

ソングブック映画というジャンルがあります。例えば、ジョージ・ガーシュインの『アメリカ交響楽』(45年)や、コール・ポーターの『夜も昼も』(46年)、ジェローム・カーンの『雲晴れるまで』(46年)、リチャード・ロジャースとロレンツ・ハートの『歌詞と音楽』(48年)などなど。1940年代のハリウッドでは、ソングライターの生涯を、その人が書いたヒットソングで綴る音楽映画が花盛りでした。

最近でも、コール・ポーターの『五線譜のラブレター』がありました。こうしソングブック映画の主役はなんといってもスタンダード。フランク・シナトラ、ジュディ・ガーランド、ペリー・コモといったスターが次々と登場して、おなじみのスタンダードを歌う。おまけに、映画では「歌の誕生秘話」が、多分に脚色されてますが、描かれて、興趣が湧くわけです。

僕はこうした映画を通じて、アメリカのスタンダードを知りました。いささか絵乱暴かも知れませんが、ガーシュインを知るなら『アメリカ交響楽』、コール・ポーターなら『夜も昼も』と、今でも人におススメしております(笑)

でも日本には、ソングブックという発想がなかなか根付かず、映画では古賀政男さんの『影を慕いて』が作られてますが、これは華麗なヒットソングのページェント、というわけに行かず、やはり歌謡映画になってしまっています。

これまでも、いずみたくさんや中村八大さん、宮川泰さんのトリビュート・コンサートなどはありました。残念ながら、お亡くなりになったときの、メモリアルばかりでした。 僕はもっと、気軽に日本のスタンダードを楽しめる、時代とともにあった歌謡曲を、オンタイムの世代だけでなく、若い世代にも聞いてもらったり、歌ってもらいたい、そのための「ソングブック映画」「ソングブックコンサート」があればいい、と思っていました。

日本のスタンダードを書いたソングライターでまず浮かぶのは、「上を向いて歩こう」「黄昏のビギン」の中村八大さん、「夜明けのスキャット」「恋の季節」のいずみたくさん、「涙くんさよなら」「夜霧よ今夜も有難う」の浜口庫之助さんです。もちろん、坂本九さん、水原弘さん、由紀さおりさん、ピンキーとキラーズ、ジャニーズ、石原裕次郎さん、といったオリジナルシンガーの歌声がすぐにイメージされます。 ところが、中村八大さんの「上を向いて歩こう」は、坂本九さんの歌でありますが、同時にいろんな方が歌い継がれております。なんせビルボード1位のスキヤキソングですから、沢山の方がカヴァーをされています。そうして歌はスタンダードになっていくのです。

浜口庫之助さんの「涙くんさよなら」は、坂本九さんのヒット曲でもあります。最近でもないですがドラマ「天までとどけ」の主題歌として、川越美和さんemuさん、安達祐実さんも歌ってました。そして僕らも、時々口ずさんでます(笑)。1966年の日活映画『涙くんさよなら』では、日活が誇るGSバンド”ヤング&フレッシュ”とジュディ・オングさん、そしてジョニー・ティロットソンさんも歌っています。これもスタンダードです。

こうしたイイ曲を、さまざまなアーティストが歌い継いでいくこと。とても大事なことだし、とても素敵なことだと思います。日本にはソングブック映画は作られませんでしたが、ソングブックコンサートはこれからも開催することができる、そんな風に思っていました。

昨年から、僕は、大先輩のプロデューサーである佐藤剛さんと「20世紀の歌謡曲」と「21世紀の歌謡曲」をテーマに、さまざまなことを考えて、行動してきました。由紀さおりさんのアルバム「いきる/由紀さおり」は、その実践であり、そこから派生してくるさまざまなことを通して、歌謡曲という概念がここのところ定着してきたようでもあります。

昨日の朝日新聞でTHE BOOMの宮沢和史さんが「歌謡曲」に興味がある、ということをインタビューで話してました。「歌謡曲」きてますね。やっぱり。

こうした活動の一貫として、「スタンダードナンバー~オトナの歌謡曲~」と題して、念願のソングブックコンサートが開催されることになりました。さすが剛さん、行動が早いです。

スタンダードナンバー~オトナの歌謡曲~

https://ticket.kyodotokyo.com/jigyo.do?jigyoBango=9Y27&unitCode=671

日本のポップスを確立した3人の作曲家、
中村八大・いずみたく・浜口庫之助の
名曲を歌い継ぐコンサート。

2009年11月24日(火)新宿文化センター大ホール
開場18:00 開演:18:30

出演:由紀さおり/遊佐未森/今野英明/バンバンバザール/土岐麻子/羊毛とおはな/中山うり/藤澤ノリマサ/中村中/阿部芙蓉美
演奏:鈴木総一朗
総合司会:柿木央久

登場楽曲(予定)
♪みんな夢の中(浜口庫之助)
♪愛のさざなみ(浜口庫之助)
♪夜明けのスキャット(いずみたく)
♪恋の季節(いずみたく)
♪黄色いサクランボ(浜口庫之助)
♪愛して愛して愛しちゃったのよ(浜口庫之助)
♪夢であいましょう
♪夜霧よ今夜も有難う(浜口庫之助)
♪夕日が泣いている(浜口庫之助)
♪涙くんさよなら(浜口庫之助)
♪黒い花びら(中村八大)
♪見上げてごらん夜の星を(いずみたく)
♪ともだち(いずみたく)
♪花と小父さん(浜口庫之助)
♪遠くへ行きたい(中村八大)
♪夜明けの歌(いずみたく)
♪ふれあい(いずみたく)
♪黄昏のビギン(中村八大)
♪初めての街で(中村八大)
♪「笑点」のテーマ(中村八大)
♪「徹子の部屋」のテーマ(いずみたく)
♪おさななじみ(中村八大)
♪いい湯だな(いずみたく)
♪手のひらに太陽を(いずみたく)
♪いいじゃないの幸せならば(いずみたく)
♪バラが咲いた(浜口庫之助)
♪明日があるさ(中村八大)
♪上を向いて歩こう(中村八大)

といった曲を、どの方が歌うのか、それを想像するもの楽しいです。
日本の歌謡曲、日本のスタンダードの源流を知るというアカデミックな愉しみだけでなく、メロディの良さ、歌詞の良さ、そして歌の良さを、存分に味わえるコンサートになるような、そんな気がします。

このシリーズ、どんどん続けていただいて、次世代にも日本の歌謡曲の素晴らしさを歌い継いでいって欲しいです。
明日があるさ~中村八大作品集
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2009-07-15
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見上げてごらん夜の星を~いずみたく作品集
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