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zoom RSS メイキング・オブ「吉永小百合映画歌謡曲 日活篇」

<<   作成日時 : 2008/10/11 14:18   >>

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この夏は、二枚組のCD、二作品と悪戦苦闘しておりました。いずれも、自分でトラックダウンまで行うので、音源整理、音源チェック、選曲、マスター作りまですべて一人でやっております。これが昔だったら、素材チェックと選曲だけだったのでしょうが、音楽製作をめぐる状況が大きく変わり、機材やソフトの進化によって、この原稿を書いているMacintoshでも、音楽素材を取り扱えるようになったことで、自分の仕事の範囲が目に見えないところで大きく変わってきました。

で、それが、大変かというと、実は楽しかったりするわけで、撮影所に現存する貴重な6ミリのオープンリールテープをデータ化して、当時の音楽シートを観ながら、それをいろいろ精査することは、映画音楽収録時の状況を追体験することでもあります。何月何日に何を録音して、どのテイクを採用したのか、そういったことがメモとして残されています。まず、該当作品を観て、それから音楽を聴きながら、音楽シートを読み込んでいく。2008年の現在にいるのに、頭のなかは1960年代へと飛んで行く。だから、吉永小百合さんのことは、どうしても小百合ちゃんという気持ちで考えてしまうわけです。

小百合映画のサントラアルバムがあったら! と、思ってビクターさんに企画書を出したのが、今から三年前のゴールデンウィーク前のこと。だめもとと、半ばあきらめていたところ、この夏、ビクターの小百合さん担当のディレクターから一本の電話がかかってきました。「!」でしたね。

というのも、このお正月に「今年は吉永小百合の日活時代だ!」と、突如として思ったわけです。山田洋次監督の『母べえ』のネット連載や、日活さんのDVD-BOXの解説や、付録の写真集の編集などをしていたことが大きいのでしょうが、どうしても「日活時代の吉永小百合の全貌」を把握しておきたかったのです。そこで、友人の協力もあり、編年体で吉永小百合作品を見返すという日々を過ごしていました。

そこへ、このCDの制作・監修依頼があったわけです。これを「必然」といわずに、なんというのでしょう! ということで、映画における吉永小百合さんの「歌唱」という視点で、日活時代の作品から楽曲を抽出。まずは、ダイジェストの仮組DVDを作りました。それを設計図に、日活時代の音源(これは劇伴奏と歌と全部入っているものです)を聞き込み、音楽シートをにらめっこし、歌唱シーンだけでなく、ピアノ伴奏や演奏シーンも、吉永小百合さん自身が弾いていることが判明したり、映画よりも長く歌唱しているテイクを発見したり・・・気の遠くなるような作業ですが、いちいち楽しいわけです。

で、今回は、仮組CD(選曲にあわせて音源をプレイリストにしたもの)が出来た段階で、全作品と楽曲の解説を書きました。僕はモノ書きですので、頭の中を整理し、全体像を把握するのは、文章を書くのが一番早く確実なのです。それを、ディレクターや関係者に読んでいただいて、アルバムの全体像ついてのイメージを同一化するわけです。この段階で、デザイナーさんにも原稿を読んでいただいているはずです。

そして、権利関係の許諾に入ります。デュエットや映画の場面の場合、共演者がおり、ご本人やご遺族の許諾をいただかないと、商品化できません。その確認が完了した段階で、収録できる楽曲がフィックスとなります。通常は、この段階でスタジオに入るのですが、僕の場合、トラックダウンに入ります。で、音質や音の状態を確認しつつ、仮マスターをハードディスクに書き込み、それからビクタースタジオへと向かいました。

そして今回、吉永小百合さんのご提案で、DISC1の「いつでも夢を」のインストゥルメンタルに、スペシャルメッセージを収録することになり、ナレーションを録音しました。 取材や対談と違って、モノを作る現場をご一緒できたことは、一生の財産です。

こうして、さまざまな人の協力と、がんばり、そして才能が集まって、CD「吉永小百合映画歌謡曲集 日活篇」が完成しました。10月16日に発売です。

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A000205/VICL-63107.html

画像

吉永小百合映画歌謡曲~日活編~
ビクターエンタテインメント
2008-10-16
吉永小百合

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
佐藤利明 様
 日活 吉永小百合映画歌謡曲全集CDを買いました。
 とても楽しめました。長年聞いてみたい曲もあり嬉しかったです。
 マニアとして1点気になる解説書の記述がありましたのでコメントします。
 「青春のお通り」、「青春のお通り愛して泣いて突っ走れ!」の歌「青春の風」は、1作目と2作目ではほんの少し歌詞が違うのです。同一音源により未収録としたという旨の解説がブックレットP25の下から3行目に書かれていましたが、どういう意味なのか判りません。別テイクとして考えれば違うわけです。まぁ大きな影響もなく、私が仮に制作者として考えれば、またの機会にでもということでコメントするだろうな、と思ったわけです。どうも小さなことでコメントしてすみません。お気にとめてもらえれば幸いです。
岩田
2009/01/22 08:00
岩田さま

コメントありがとうございます。今回の音源は、基本的に日活撮影所で発見された音楽マスターをもとに製作しております。確かに完成作品から音声抽出をすることで、ご指摘の「青春の風」は、続編の『青春のお通り 愛して泣いて突っ走れ!』本編から別テイクとして収録することが可能だったかもしれません。一度は、その線で検討しましたが、諸事情で断念せざるおえませんでした。非力で申し訳ありません。
さて、『〜愛して泣いて突っ走れ!』の音楽マスターには、「アンニーローリー」のプレスコ音源が収録されていましたが、同じテープに収録されていた「青春の風」は、正編の『青春のお通り』で使用したものをリレコ(マスターからコピー)したものしか残っておりませんでした。このリレコが製作時にされたものか、製作後にされたものかは、資料からもたどることができませんでした。
佐藤利明
2009/01/22 11:17
ともあれ、現時点で「青春の風」の音源は、『愛して泣いて突っ走れ!』のテープにも『青春のお通り』ヴァージョンのものしか現存していなかったのです。というわけで、現存しているテープが同一音源しかないため、ご指摘の記述になった次第です。完成作品では歌われているにも関わらず、マスターがない、作品は他にもありました。

ライナーでは言葉足らずだったようです。再プレスの際には、ブックレットの訂正をするように、メーカーと協議をしますので、どうかご理解ください。
岩田さま
2009/01/22 11:18
佐藤 様
 ありがとうございます。納得いたしました。私ごときの質問に懇切丁寧なコメントを頂戴し嬉しく思います。
 これからも日活の不思議な雰囲気を持った挿入歌やレコーディングされているのでしょうけど、聞く機会が滅多にない映画歌謡曲をぜひお願いします。
 暗黒街の静かな男の羽高のり子さん(だったと思います)の「仔猫のミミ」(だったと思います)や「兄貴」、「赤い荒野」の杉山俊夫さんの同名主題歌などが印象的です。
 吉永さん、松竹の「青春大全集」でもレコード化されなかった歌があったと記憶しております。(風、この風は…という出だし)
 今後とも御活躍をお祈りします。
 
岩田
2009/01/22 16:43

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