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zoom RSS 寅さんクラシックコンサート

<<   作成日時 : 2016/01/30 17:31   >>

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1月30日、越前市で開催された「男はつらいよ 寅さんクラシックコンサート」のセットリストと、当日配布のために書き下ろした曲目解説です。諸事情で、セットリストが配布されなかったので、こちらにアップしておきます。


平成28年1月30日(土)
開演/午後3:00(開場午後2:30)
会 場 越前市文化センター(越前市高瀬2丁目3-3)

寅さんクラシックコンサート 曲目解説

編曲:山本祐ノ介
解説:佐藤利明(娯楽映画研究家・文化放送「みんなの寅さん」パーソナリティー)

第1部『男はつらいよ』で流れたクラシックの名曲たち

<オープニング>

「寅のテーマ」
登場作品:「男はつらいよ」各作品
「男はつらいよ」シリーズの象徴ともいうべき主題歌のメロディーからコンサートが幕開けします。

<寅さんの夢>

「ペール・ギュント」より「朝」(グリーク)
登場作品:第37作『男はつらいよ 幸福の青い鳥』
公開年:昭和61年(1986年)12月
マドンナ:志穂美悦子 ゲスト:長渕剛、すまけい、桜井センリ
ロケ地:山口県萩市、下関市、福岡県飯塚市、神奈川県箱根町・芦ノ湖
 おなじみの「寅さんの夢」から。車博士が家族を連れて「幸福の青い鳥」を探し求めて森の中へ。もうダメかと諦めかけたときに、青い鳥が見つかります。そこに流れるのがエドヴァルド・ハーゲルップ・グリーク作曲の「組曲ペール・ギュント 第1組曲作品46 第1曲 朝」が流れてきます。

<寅次郎音楽旅・ウィーンの寅さん>

「春の声」(ヨハン・シュトラウスU世)

登場作品:第9作 『男はつらいよ 柴又慕情』
公開:昭和47年(1972年)8月
マドンナ:吉永小百合 ゲスト:宮口精二、佐山俊二
ロケ地:石川県金沢市、福井県坂井市・東尋坊、岐阜県多治見市
 第9作『柴又慕情』では、福井路で寅さんと吉永小百合さん演じるマドンナ歌子たちが、永平寺線の京善駅前の茶店で寅さんと出会います。記念写真を撮る時、寅さんが「バター」と言って大笑い。そこから福井路の楽しい旅を続けるシーンに流れました。
 この曲は1882年にヨハン・シュトラウス2世が、フランツ・リストと同席した即興演奏パーティの場で、作曲したとされる、ワルツの名曲です。第8作『寅次郎恋歌』で、池内淳子さん演じるマドンナ貴子の息子で、小学生の学が友達に馴染めずに、ひとりぼっちでいる時に寅さんが声をかけるシーンに流れていました。

「トリッチ・トラッチ」(ヨハン・シュトラウスU世)
登場作品:第41作『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』
公開:平成元年(1989年)8月
マドンナ:竹下景子 ゲスト:柄本明、淡路恵子
ロケ地:宮城県、オーストリア・ウィーン
 寅さんがなんと音楽の都、オーストリアはウィーンに旅をする海外ロケ篇。ことの起こりは、宮城県で知り合った仕事に疲れたサラリーマン、坂口兵馬(柄本明)。ウィーンに行きたいという彼の頼みを、安請け合いした寅さんを、本気の兵馬が柴又まで迎えに来た時に流れるのが、シュトラウスが1856年に作曲した楽しいポルカ「トリッチ・トラッチ」です。
 ちなみに「トリッチ・トラッチ」は、シュトラウスの時代に、ウィーンで刊行されていた有名人のゴシップを集めた雑誌のタイトル。日本では小学校の運動会に流れる曲として知られています。

「美しき青きドナウ」(ヨハン・シュトラウスU世)
登場作品:第41作『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』

 さて、ウィーンに着いた寅さん。ホテルの部屋から一歩もでないのは勿体無いと、兵馬に連れ出されますが、すぐに迷子となり、現地ガイドで竹下景子さん演じる久美子と知り合います。一方、兵馬は、かのマリー・アントワネットも踊った、ホーフブグル王宮で行われている舞踏会へと出かけます。そこで兵馬が美しい女性と踊るのが、ヨハン・シュトラウス2世の「美しき青きドナウ」です。
この曲は、1867年にヨハン・シュトラウス2世が作曲したウィンナ・ワルツの傑作です。プロイセン王国とオーストリア帝国の“普墺戦争(ふおう戦争)”に敗れ、失意のオーストリア市民のために作曲された、元は男性合唱曲でした。そういえば、ドナウ河のほとりで、寅さんとデートをする久美子も口ずさんだのは「美しき青きドナウ」でした。

<寅さんクラシック名曲選>

「乙女の祈り」(テクラ・ボンダジェフスカ)
登場作品:第41作『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』
公開:平成元年(1989年)8月
マドンナ:竹下景子 ゲスト:淡路恵子、柄本明
ロケ地:宮城県松島町、栗原市、オーストリア・ウィーン市
 数々のシーンで使用されているボンダジェフスカの「乙女の祈り」。代表シーンは、くるまやの店先のシーンで、帝釈天参道を行き交う人々のバックにいつも流れている街頭宣伝の音楽です。第41作『寅次郎心の旅路』では、旅行代理店社員(イッセー尾形)が寅さんの航空券を届けに来るシーンの帝釈天参道で流れていました。

「トロイメライ」(ロベルト・シューマン)
登場作品:第10作『男はつらいよ 寅次郎夢枕』
公開:昭和47年(1972年)12月
マドンナ:八千草薫 ゲスト:田中絹代、米倉斉加年
ロケ地:長野県塩尻市大字奈良井、山梨県北巨摩郡(現・北杜市)
 「寅さんの夢」の音楽でしばしば流れたのが、ロベルト・アレクサンダー・シューマンの「トロイメライ」です。この曲は「夢」という意味で、ノスタルジックなムードを醸し出してくれます。第10作『寅次郎夢枕』は、「マカオの寅」という活劇ヒーローのパロディでした。

「ノクターン」(フレデリック・ショパン)
登場作品:第18作『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』
公開:昭和51年(1976年)12月
マドンナ:京マチ子 ゲスト:檀ふみ、浦部粂子
ロケ地:長野県上田市、別所温泉、新潟県六日町
 第18作『寅次郎純情詩集』のマドンナ、綾(京マチ子)のお宅で夕食をご馳走になった寅さん。とらやの茶の間で家族に自慢気に話す気分は上流階級。そのイメージにぴったりなのが、ショパンの「ノクターン」。綾と娘の雅子(檀ふみ)に見送られて、外に出た寅さん。そのときの情景を「降るような星空だよ」と一言で言い表します。寅さんのことばは、魔法のようです。

「ます」(フランツ・シューベルト)
登場作品:第12作『男はつらいよ 私の寅さん』
公開:昭和48年(1973年)12月
マドンナ:岸惠子 ゲスト:前田武彦、津川雅彦
ロケ地:大分県大分市、熊本県阿蘇郡、熊本市
 第12作『私の寅さん』のマドンナ、りつ子(岸惠子)は、寅さんの幼馴染・文彦(前田武彦)の妹で画家。財布を忘れて、フランスパンの代金を寅さんに出して貰った時に「寅さんは私のパトロンね」と微笑む。天にも昇る思いの寅さんですが・・・ シューベルトの「ます」は、山本直純作曲の「りつ子のテーマ」とともに、マドンナのテーマ的に流れます。

登場作品:第32作『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』
公開:昭和58年(1983年)12月
マドンナ:竹下景子 ゲスト:中井貴一、杉田かおる
ロケ地:岡山県総社市、高梁市、広島県尾道市
 第32作『口笛を吹く寅次郎』で寅さんは、義弟・博(前田吟)の父の墓参で訪れた、岡山県備中高梁市の蓮台寺の娘・朋子(竹下景子)に一目惚れ。住職・泰道(松村達雄)の代わりに法事を務めたことから、納所坊主となってしまいます。シューベルトの「ます」は、朋子の弟・一道(中井貴一)とガールフレンドのひろみ(杉田かおる)のテーマとして登場。
 1817年にフランツ・シューベルトが作曲した、「ます」は、最初は歌曲として演奏され、のちにピアノ五重奏曲イ長調の第四楽章の主題となりました。

「カルメン」より闘牛士の歌(ジョルジュ・ビゼー)
登場作品:第20作『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』
公開:昭和52年(1977年)12月
マドンナ:藤村志保 ゲスト:中村雅俊、大竹しのぶ
ロケ地:長崎県平戸市、佐世保市
第20作『寅次郎頑張れ!』のラスト、失恋をしてまた旅の人となった寅さん。そこへビゼーの「カルメン」が聞こえてきます。寅さんとはなじみの旅役者「坂東鶴八郎一座」が軽四トラックに乗って、袖すり合うも他生の縁、寅さんは一座のトラックに乗って旅を続けてゆくのです。

第2部 山本直純作曲のオリジナル曲を倍賞千恵子さんとともに

スペシャルゲスト 倍賞千恵子さん
 第二部は、寅さんの異母妹・さくらを演じた倍賞千恵子さんが登場。シリーズの思い出、渥美清さんの思い出などを振り返り、楽しいトークを展開していただきます。
 また「さくらのバラード」をはじめ、倍賞千恵子さんの歌声をたっぷりとお楽しみ頂きます。また、作・山田洋次監督による「小説・寅さんの少年時代 けっこう毛だらけ」の朗読では、映画では描かれることのなかった、知られざる寅さんとさくらの子供の頃のエピソードに触れることができます。

柴又のテーマ(山本直純)
登場作品:「男はつらいよ」各作品

 旅先で寅さんがいつも想うのは、故郷・柴又のこと。旅先からの手紙や、マドンナからの年賀状のシーンに流れるのが「柴又のテーマ」。倍賞千恵子さん登場にふさわしいメロディです。

マドンナのテーマ
「歌子のテーマ」(山本直純)
登場作品:第9作「柴又慕情」
公開:昭和47年(1972年)8月
マドンナ:吉永小百合 ゲスト:宮口精二、佐山俊二
ロケ地:石川県金沢市、福井県坂井市・東尋坊、岐阜県多治見市

登場作品:第13作『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』
公開:昭和49年(1974年)8月
マドンナ:吉永小百合 ゲスト:高田敏江、宮口精二
ロケ地:島根県温泉津町、津和野町
 マドンナのテーマは、三拍子のワルツが多いです。吉永小百合さんが演じた、“歌子”は父親との確執に悩み、自分自身の幸せを掴むことに臆病になっている女性。福井県を旅しているときに、寅さんと出会い、さくらや博に背中を押されて、愛する人のもとに嫁ぎます。歌子のテーマは、吉永小百合さんのイメージにぴったりの、明るく、そして憂いを感じさせてくれる美しいメロディです。

「リリーのテーマ」より「北国のリリー」(山本直純)
登場作品:第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』
公開:昭和48年(1973年)8月
マドンナ:浅丘ルリ子 ゲスト:織本順吉、毒蝮三太夫
ロケ地:北海道網走市

登場作品:第15作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』
公開:昭和50年(1975年)8月
マドンナ:浅丘ルリ子 ゲスト:船越英二、岩崎加根子
ロケ地:青森県八戸市、北海道函館市、長万部町、札幌市、小樽市
 「北国のリリー」と名付けている曲は、北海道は網走で出会ったときのメロディ。第11作『寅次郎忘れな草』と、やはり北海道を舞台にした第15作『寅次次郎相合い傘』で流れました。

「リリーのテーマ」より「南国のリリー」(山本直純)
登場作品:第25作『寅次郎ハイビスカスの花』
公開:昭和55年(1980年)12月
マドンナ:浅丘ルリ子 ゲスト:江藤潤
ロケ地:沖縄県、群馬県吾妻郡六合村(現・中之条町)

登場作品:第48作『男はつらいよ 寅次郎紅の花』
公開:平成7年(1995年)12月
マドンナ:浅丘ルリ子 ゲスト:後藤久美子、夏木マリ、田中邦衛
ロケ地:岡山県津山市、鹿児島県奄美群島・加計呂麻島、兵庫県神戸市
 “リリー”三度目となる、第25作『寅次郎ハイビスカスの花』では灼熱の沖縄で、寅さんとリリーが同棲するという、ドキドキの展開でした。そのときのリリーのテーマが「南国のリリー」です。最終作となった『寅次郎紅の花』も、鹿児島県は奄美群島の加計呂麻島が舞台で、このメロディが流れました。

「泉のテーマ」〜「二人のテーマ」(山本直純)
登場作品:第42作『男はつらいよ ぼくの伯父さん』
公開:平成元年(1989年)12月
マドンナ:後藤久美子 ゲスト:檀ふみ、夏木マリ、尾藤イサオ
ロケ地:茨城県久慈郡袋田の滝、佐賀県古城市、吉野ヶ里遺跡

登場作品:第44作『男はつらいよ 寅次郎の告白』
公開:平成3年(1991年)
マドンナ:後藤久美子 ゲスト:吉田日出子、夏木マリ
ロケ地:鳥取県倉吉市、鳥取市、岐阜県蛭川村・恵那峡
 さくらの息子・満男(吉岡秀隆)の初恋の女の子、泉(後藤久美子)の「泉のテーマ」と、“満男”と“泉”の若い恋人たちの「二人のテーマ」です。

「かあさんの歌」(うた:倍賞千恵子)
登場作品:第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」
公開:昭和46年(1971年)12月
マドンナ:池内淳子 ゲスト:吉田義夫、岡本茉利、志村喬
ロケ地:神奈川県三浦市、岡山県備中高梁市
 第8作『寅次郎恋歌』で、酔っ払ったお兄ちゃんが、さくらに“何か歌え”と無理難題を言ってきて、情けない気持ちのさくらが歌うのがこの「かあさんの歌」です。

朗読:「さくらの涙」(語り:倍賞千恵子)
作・山田洋次監督「小説・寅さんの少年時代 けっこう毛だらけ」より
 映画『男はつらいよ』では描かれることがなかった、寅さんの少年時代を山田洋次監督が小説化した「けっこう毛だらけ」は、倍賞千恵子さんの朗読で、文化放送「みんなの寅さん」で放送されました。第7話「さくらの涙」では、寅さんの出出生の秘密を知った少女時代のさくらの心情と寅さんの気持ちが綴られます。

「さくらのバラード」(うた:倍賞千恵子)
作詞:山田洋次 作曲:山本直純
 旅暮らしの寅さんを案じる、妹・さくらの気持ちを歌い上げた「さくらのバラード」は、山田洋次監督が倍賞さんのために書き下ろした、シリーズのイメ
ージソングで、倍賞さんの代表曲。映画でも寅さんが不在の柴又は雨のことがあります。歌い出しの「江戸川に雨が降る」に、映画のイメージが広がります。

「死んだ男の残したものは」
作詞:谷川俊太郎 作曲:武満徹
 1965(昭和40)年、「ベトナムの平和を願う市民の集会」のために作られた平和への祈りが込められた曲。倍賞千恵子さんは、この曲を大切にコンサートで歌い続けています。夫・小六禮次郎さんの編曲によるヴァージョンがアルバム「あなたにふれたいばかりに」(1990年)に収録されています。

「寅さんファンタジー」(山本直純 編曲:山本祐ノ介)
圭子〜春子〜礼子〜泉〜さくらのテーマ〜男はつらいよ
 山本直純さんは、寅さんが恋するマドンナたちのために印象的な美しい音楽を残しています。マドンナたちを彩った美しい花束ともいえる名曲を、直純の次男“山本祐ノ介”が特別にオーケストラに編曲したのが、この「寅さんファンタジー」。圭子(香川京子・第24作)、春子(栗原小巻・第4作)、礼子(樫山文枝・第16作)、泉(後藤久美子・第42,43,44,45,48作)、と、歴代マドンナの名曲の数々をご堪能ください。


解説:佐藤利明(娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー)
1963年生まれ。娯楽映画をテーマに邦画DVDの企画、歌謡曲やサントラCD制作などマルチに活躍。文化放送「みんなの寅さん」毎週土曜日AM6:40〜では“寅さん博士”として構成作家、パーソナリティーを務める。

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